猫の初恋
大西くんの方をチラッと横目で見たらパンの入ったビニール袋が机に置かれている。

あ、大西くんは今日の昼食はパンなんだ、ラッキー。

そしたら安心して教室で花音ちゃんと食べられる。

「今日は教室で食べよっか」

はにかみながら言ったら、花音ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。

「じゃあすずちゃんの席で2人で食べよっ」

花音ちゃんはいつもは佐伯さん達のグループの子達と食べているけど、私に気を使ってくれているのか、無理にグループに誘ってくることはしないんだ。

嬉しいな。

花音ちゃんとおしゃべりしながら、お弁当を食べたら凄く楽しいだろうな。

「すずちゃんのお弁当箱かわいー水筒も。猫さんだ」

「えへ」

猫の絵柄のお弁当箱と水筒を褒めてもらって、頬が緩んだ。

「猫ってほんと可愛いよね。わたし大好き」

「え、ほんと?」

「うん」

「私もだよっ、猫好きな人が大好き」
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