猫の初恋
兄がおかしな誤解をしているみたいで恥ずかしかったから、引きずってここから離れようとしたけど……。
「君、名前はなんて言ったかな?」
兄はなおも一条くんに話しかけた。
「一条だけど」
「下の名前は?」
「千颯」
「一条千颯くんか、オッケー。一条くん、これから先はもう妹には近づかないでくれるかな?」
「なんだよ、いきなり」
怪訝そうに尋ねる一条くんに、不敵な笑みで返す兄。
「僕の言うことを聞かないと、怖い目にあうかもしれないよ。イチジョウチハヤくん」
「……っ」
その時、兄の瞳の色が黄色に変化した。
直後、一条くんの顔から表情がサッと消えてしまった。
「いいね。白い子猫のことは忘れるんだ」
「白猫……忘れる?」
「わかったね?わかったら自分の教室に帰っていいよ」
「……わかった」
一条くんは感情の無い人形みたいな顔で頷いて、ゆっくりとその場からいなくなった。
「ちょっと、お兄。一条くんに何をしたの?」
「君、名前はなんて言ったかな?」
兄はなおも一条くんに話しかけた。
「一条だけど」
「下の名前は?」
「千颯」
「一条千颯くんか、オッケー。一条くん、これから先はもう妹には近づかないでくれるかな?」
「なんだよ、いきなり」
怪訝そうに尋ねる一条くんに、不敵な笑みで返す兄。
「僕の言うことを聞かないと、怖い目にあうかもしれないよ。イチジョウチハヤくん」
「……っ」
その時、兄の瞳の色が黄色に変化した。
直後、一条くんの顔から表情がサッと消えてしまった。
「いいね。白い子猫のことは忘れるんだ」
「白猫……忘れる?」
「わかったね?わかったら自分の教室に帰っていいよ」
「……わかった」
一条くんは感情の無い人形みたいな顔で頷いて、ゆっくりとその場からいなくなった。
「ちょっと、お兄。一条くんに何をしたの?」