孤独なお嬢様は、孤独な王子様に拐われる。
孤独な王子様
「今日からしばらくお友達の家に泊まることになったの。学校はちゃんと行くから……よろしくお願いします」
「…習い事のお稽古はどうしますか?」
「それも当分は行けないかもしれないから…休もうと思ってて」
反論できない状況だったと思う。
わかりました、なにかあったらいつでも連絡くださいね───と、使用人はそれだけを言って了承してくれた。
変な関係性になってしまったけれど、これはこれで私が動きやすくはなったんだと思うことにする。
「えっ、え…!海真くんっ、これぜんぶ100円って本当……!?」
「ほんと。高くても300円とか500円とか」
「どうしてそんなに安いの…!?お皿だけじゃなくマグカップまで…!?あっ、えっ、クッションとかも売ってるよ…!!フライパンも!?なんでも揃ってるんだねっ」
「うんびっくりだよ、ほんとびっくりだ。100円ショップに来たことないなんてマジびっくり。オジョーサマ半端ないって」
「名前だけは聞いたことがあったよ?でもすごい…!本当にこんなお店があっただなんて……!」
「…ののちゃん、ののちゃん、みんなすげえ見てるーーー」
「あっ、ご、ごめんね…!ついテンション上がっちゃって…」