孤独なお嬢様は、孤独な王子様に拐われる。




基本はオーガニック食材を使ったものしか口にしていなかったり、買い物はほぼほぼ藤原さんのお仕事だった。

もし行ったとしても高級百貨店にある食品売り場だ。



「わあ!調味料とかパッケージも、見たことがないものばっかりだよ海真くん!」


「これね、塩とコショウがあらかじめ混ざってるから超オススメ。バーではあえて黒粒を見せることが大切だとか言って、店長にはぜったい買ってくるなって言われんだけど」


「ふふっ。これだと1本で味付けができて画期的なのにね」


「でしょ?どこまで便利かつ低コストを追及できるかってのが庶民だから」



値段を見ずにカゴに入れる。

欲しいものや気になったものをついポイポイと入れてしまう私を見て、またここでも「オジョーサマやべえ」と、海真くんのつぶやき。


私が知っているスーパーマーケットと比べたら規模はもちろん小さいけれど、どこか懐かしさのようなものを感じた。



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