孤独なお嬢様は、孤独な王子様に拐われる。
おなじ食材のはずなのに何百円も違うものをたくさん見てきた。
海真くんと暮らしてからいつも行っているスーパーを基準にしてしまう私は、ベルマーケットは実際に見るまでもなく落選だ。
「ののちゃん、どう?」
「…もう少し他のところも見てみたいな。すごくいいお部屋だとは…思うけど」
「そっか。わかった」
オートロックはそこまで必要かな。
顔が見えるインターホンも、あったら便利なのだろうけど必須ではないと思う。
5階以上はあるマンションだなんて、そこまで見栄を張る必要はあるのかな…。
「うわ~!さっきのとこよりお風呂も広いし綺麗じゃん!」
「いちばん築年数も浅いとこらしいから。去年建ったばっかだって。…でしたよね?」
「はい、そうです」
つぎに案内されたマンションもオートロック。
エントランスに水槽はないものの、シックな内装は確かにとてもオシャレだった。
お部屋も広々としたデザイナーズマンションとなっていて、ペットもOKなのだと。