一番星にキス。

 おずおずカーテンをめくると、そこには落合さんが立っていた。

「お、落合さん? 授業は?」

「自習になりました。それより見てくださいこれこれこれ!」

 小さなスマホ画面を突きつけられる。私はぐっと顔を寄せてそれを見た。

「厳正なる抽選を行った結果、チケットをご用意することができました……?」

「ロクブルのライブのチケットが取れたんですよう!」


 落合さんはぴょんぴょん跳ねた。眼鏡がぐわぐわと上下した。


「ペアでチケットとってたので、どうですか、一緒に」


「一緒に!?」

「はい。いつもならSNSで同行者探すんですけど、今回は――」


 落合さんは私をじっと見た。



「野宮さんに元気を出してほしくて」
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