不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

 ◇

「今日はスーツで出勤なんですね」
「惚れ直した?」

 着替えを終え、自室から出てきた鳴海はスーツを着ていた。
 初めて彼と出会ったときのことを思い出し、ふふっと笑みがこぼれる。

「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい」

 真綾は鳴海からキスを頬に受けた。
 鳴海を職場に見送る時は、いってらっしゃいのキスをするのがふたりの決まり事だ。

「あの、太陽さん」
「どうした?」
「私も太陽さんにキスしてもいいですか?」

 鳴海は一瞬だけ面食らったが、やがてうれしそうに微笑んだ。

「いいよ」

 キスの許可を得た真綾は、鳴海の胸に手を置き踵を上げた。

「ん!?」

 頬に軽くするつもりだったのに、急に顔の向きを変えられたせいで唇が重なる。
 故意にぶつかっただけでは飽き足らず、鳴海は新妻の柔らかい唇を何度も食んで味わい尽くした。

「朝からいいものもらったな」
「もうっ!」

 唇を離した鳴海はニヤリと満足げに笑った。

(ああ、もう!)

 この人はどれだけ真綾をときめかせれば気が済むのだろう。

「今日は早く帰るから」
「いってらっしゃい」

 真綾は玄関扉が閉まり鳴海が見えなくなるまで玄関に立ち続けた。
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