不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

「なんでここまでしてくださるんですか?」

 知り合いの民宿を紹介し、今日だってわざわざ車で迎えにきてくれた。
 ただの同僚にここまでするか?
 世話好きのひと言だけでは、すませられない。
 不思議に思い尋ねれば、織恵はふっと表情を和らげた。

「真綾ちゃんには言ってなかったけど、私にも娘がいたのよ。ちょうどあなたと同じ歳ね」
「娘さん?」

 この一年一緒に働いてきたけれど、織恵から娘がいるという話を聞いた記憶がない。

「生まれてすぐね、手放してしまったの。経済的な理由で私ひとりではどうしても育ててあげられなくてね」

 織恵は寂しそうに笑った。

(全然知らなかった)

 彼女が子どもを手放したのを後悔しているのはあきらかだった。
 だからこそ、真綾に面影を重ね親身になってくれたのだ。

「ねえ、本当に鳴海さんに何も言わないで出ていくつもりなの? ふたりの子どもでしょう? 話し合った方がいいわ」

 織恵に諭された真綾はそっと目を伏せた。

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