不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

「嫌われるのが怖いんです」

 父のことを話して、がっかりされたり、幻滅されたりして、鳴海に見捨てられるのが怖かった。
 彼が好きだからこそ、愛情が失われていくのに耐えられない。
 父の件で何度も身につまされている。

「最初から完璧な夫婦なんていやしないのよ。少しずつぶつかって夫婦になるものなんじゃない? 大丈夫よ。鳴海さんならきっと全部受け止めてくれる。もしダメだったら、今度こそ民宿で働けばいいもの」

 織恵は真綾の肩をポンポンと叩いた。

「あなたはひとりじゃないの。最強の味方がふたりもいるでしょ」

 織恵は真綾のお腹と自分を指差し、バチンとウインクしてみせた。

(ああ、そうか)

 織恵は臆病風に吹かれている真綾の心を見抜いていたのだ。
 今思えばずっと逃げていた。
 母の死からも、父からも。
 今も鳴海から逃げることですべてを解決しようとしていた。
 真綾がすべきなのは父に立ち向かうことなのかもしれない。
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