不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
「さあ、鳴海さんが帰ってくるまでクッキーでも焼いて待ちましょうか。ホロホロのココアクッキーは好き?」
「はい」
最強の味方を得た真綾は静かにうなずいた。
ふたりがベンチから立ち上がり、エントランスの中に戻ろうとしたそのときだった。
「あんたが小田切の娘?」
目の前にニタニタと笑う三人の男が立ち塞がっていた。
「あなた達は?」
織恵が怪訝そうに尋ねても、男達は自分が何者なのか名乗ろうともしない。
織恵の問いかけを無視し会話を続ける。
「間違いない。髪型は違うが写真と顔が同じだ」
「大人しくついてこい!」
「きゃっ!」
耳に大量のピアスをつけた男にいきなり腕を掴まれ、真綾は悲鳴を上げた。無理やり身体を引きずられる。
「ちょっとあんた達! 真綾ちゃんになにするのよ!」
「鬱陶しいババアは引っ込んでろ!」
三人のうち、一番背の高いスキンヘッドの男が、食ってかかる織恵を地面に突き飛ばす。
「うっ!」
「織恵さん!」
そばに駆け寄ろともがくが、首にドクロの入れ墨がある男に羽交締めにされ敵わない。
真綾は二人がかりでロータリーに停めてあったライトバンに無理やり乗せられた。
「真綾ちゃん!」
「織恵さん!」
ドアが閉まり、車が急発進する。
織恵の悲痛な叫び声が、いつまでも辺りに響いていた。