不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

「どういうことですか?」

 太陽は胸倉を鷲掴みにした。今はまともな聞き取りをしている余裕がない。

「単なる脅しだと思っていたんだ!」

 父親は必死になって弁明した。

「真綾には五千万の保険金がかけてあるんだ! あ、あいつら、期日までに金を持ってこなければ保険金で返済させるって」
「金を借りている業者の名前は!?」
「ぎ、銀銅鑼(ぎんどら)ファイナンスだ」

 鳴海は思わず舌打ちした。
 あたり前だが、法定金利を守るような真っ当な会社ではない。
 闇金の仮面を被った裏社会のフロント企業だ。
 暴利を貪り、金の回収のためならなんでもする薄汚い連中。
 真綾の父はすっかりカモにされているようだ。

「な、なあ? 真綾はこれからどうなるんだ?」

 型通りの気休めの言葉をかけてやる時間はなく、太陽はあえて無視を決め込んだ。
 再びスマホを操作し、小石川に電話をかける。

(早く出ろ!)

 事態は一分一秒を争う。悠長に待っている時間はなかった。
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