不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
「私をどうするつもり?」
「それを聞いてどうする?」
神崎はクツクツと真綾を嘲笑った。
「いいことを教えてやろう」
神崎は真綾のブラウスの胸ぐらを掴み、上へ引き上げた。ニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべながら言う。
「君には五千万の生命保険金がかけられている。もちろん、受取人は小田切だ。これがどういう意味か少し考えればわかるだろう?」
真綾をおちょくるために、神崎は己の頭をトントンと人差し指でつついた。
(保険金?)
顔から血の気が引いていくのが自分でもわかる。
なぜ誘拐されたのか今までわからなかったけれど、これで目的がはっきりした。
「恨むなら金を返さない父親を恨むんだな」
神崎からにこやかに告げられると、背筋が寒くなった。
ライトバンに同乗していた男達は粗野なだけで、普通の男性だった。
しかし、神崎という男の眼は真綾を血の通った人間として認識していない。口調は楽しげなのに、目が笑っていないのだ。
金づるもしくは、都合のいい玩具。それ以上でも、それ以下でもない。