不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

「あ、あの! スープカレーを新メニューに提案したの、私です!」

 興奮でつい声が上擦る。

「やっぱり君が考えたんだ。本当にうまかったよ」
「うわあ。うれしいです!」

 織恵から新メニューを提案してほしいと頼まれ、苦心の末に考え上げたのがスープカレーだ。
 何回も試食を重ねて調合したスパイスに、トマト缶と牛乳で酸味とコクをプラスし、マイルドに仕上げたメニューだ。
 お気に入りだと褒めてもらえて、それまでの苦労が吹き飛んでいくようだった。
 鳴海はうれしそうに頬を緩める真綾を見て、さらに続ける。

「実は食堂でスープカレーを食べてから、すっかりはまってさ。この間も駅前まで食べに行ったばかりなんだ」
「もしかして駅前の【クレイジースパイス】ってお店ですか?」
「そう、それ」
「有名ですよね。私も何回か食べに行きました。しっかりスパイスがきいてるのに、しつこくなくておいしいですよね」
「そうそう。からいのに最後まで飽きずに食べられるんだよ。大きめの野菜がゴロッと入っているのが、またいいんだよな」
「わかります!」

 同じ店に通っているとわかり、真綾はすっかり鳴海に心を開いた。
 鳴海は本当にスープカレー愛好家のようで、真綾がまだ行ったことのないお店の情報も教えてくれた。
 話は弾みに弾み、気がつけば段ボール箱はひとつ残らず二階に運び終えていた。

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