不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
(今日の夕飯はなににしようかな)
夕飯のメニューをいくつも頭に思い浮かべながら、歩いてきたばかりの道を戻る。
(そうだ。今日は駅前のスーパーまで行ってみよう)
散歩にはちょうどいい季節だ。
たまには近所のミニスーパーではなく、品揃えの豊富な駅前の大型スーパーまで出かけるのも悪くない。
(提案会か。そろそろ本格的に考えないとな)
機動隊食堂では一カ月に一度、新メニューの提案会がある。
調理師全員で試食を行い、最終的に主任栄養士の織恵が採用の可否を決定する。
真綾の提案したメニューが採用されたのはこれまで二回。
スープカレーとカオマンガイ。いずれも既存のメニューにはない変わり種だ。
年配の調理師が多い中、目新しいものを取り入れようとする真綾の感性には、織恵からも期待が寄せられている。
しかし、前回と前々回の提案会では、真綾のメニューは採用されなかった。
味以外の問題をクリアできなかったのだ。
だからこそ余計に意気込んでしまう。
(今回はどうしようかな)
旬の食材を使った小鉢か。それとも、工夫を凝らしたメインメニューか。
春先の今だと、菜の花や筍が店頭に出回り始める。アスパラガスや蕪なんかも、使えそうだ。
筍ご飯、からし和え、おひたし、スープ。
メニューの候補は次々浮かんでくるが、どれもしっくりこない。