不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
(さて、やるか)
エプロンを身につけ袖を捲ったら、すぐに夕食作りに取りかかる。
冷蔵庫を開け、鶏むね肉をとりだす。
今日の夕食はタンドリーチキンだ。
ポリ袋にプレーンヨーグルトとカレー粉を入れて揉んでおくと、乳酸菌のおかげで筋繊維がほぐれ、激安の鶏むね肉でも柔らかくなる。
鶏むね肉は皮目からフライパンで焦がさないように焼いていく。付け合わせとしてズッキーニとパプリカも。
もやしとわかめ、しめじにナンプラーを加えたエスニックテイストのスープも一緒に作る。
あとは、作り置きのトマトのマリネを添えたら完成だ。
手際よくできたと自画自賛しながら茶碗にご飯をよそい、ハタと気がつく。
「す、すみません。エスニック風って苦手じゃありませんでした?」
本来なら作り始める前に聞くべきだったのに、鳴海が家にいるからとつい張り切ってしまった。
「全然平気。俺、好き嫌いないし」
鳴海はなんてことはないと、ニッと口の端を上げて笑いかけてくれた。
(かわいいな)
好き嫌いがないと自信満々で言う鳴海に、真綾の頬がつい緩む。