不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
「いただきます」
出来上がったばかりの夕食をテーブルに置くと鳴海は素早く箸をとり、真っ先に香ばしく焼き上げられたタンドリーチキンを口に運んだ。
モグモグと口を動かす鳴海をジイっと見つめる。
(なんだかドキドキする)
あらかじめ決められたメニューを食堂で提供するのとはひと味違う。
自分が作った料理を目の前で食べてもらうなんて、遥かに緊張する。
彼は真綾の手料理をどう思ったのだろう。
タンドリーチキンをひと切れ食べ終わった鳴海はいったん箸を置き、即座に口を開いた。
「すごくうまい」
「よかった」
鳴海の感想を今か今かと待ちわびていた真綾は、安堵のため息をついた。
「皮はパリパリで香ばしいし、身も柔らかい。いくらでも食べられそうだ」
「おかわりもありますから、遠慮なく食べてください」
緊張がとけた真綾はようやく自分の皿に箸をのばした。
本当は飛び上がりたいほどうれしかった。
いくらでも食べられそうという言葉通り、鳴海は次々とチキンを平らげていった。
「おかわり要りますか?」
「もらっていいかな」
「はい」
真綾はいそいそとキッチンに行き、鳴海の皿におかわりをよそった。
食事に誘ったのは完全に思いつきだったが、気に入ってもらえてよかった。
「どうぞ」
「ありがとう」
皿を渡す些細なやりとりにすら、胸がくすぐったくなる。
こうして一緒に食卓を囲んでいると、まるで夫婦にでもなったみたいだ。
いつの間にかありえない妄想を繰り広げていた真綾はふと我に返った。