不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
(え? なんで? 急に?)
頭の上に何個も疑問符が浮かんでいき、心臓バクバクと全身に血液を送り出す。
真綾は目の前に座る鳴海は、恥ずかしそうに首の後ろをかいていた。
(まさか本気!?)
頬がかあっと熱くなるのが自分でもわかった。
思わず畳の上を後ずさりして、後頭部を壁に打ちつける。
ゴンッと鈍い音がしたその瞬間、視界がチカチカ光る。
「大丈夫!?」
「へ、平気です……」
「驚かせて本当にゴメン! ちゃんと説明させてほしい!」
鳴海は両手を合わせ、真綾に頼み込んだ。
おずおずともとの位置に戻り、話の続きを聞き始める。
「実は前から困ってることがあって――」
鳴海は突然結婚を提案した理由をつらつらと話し始めた。
どうやら鳴海の住まいである機動隊の独身寮が悩みの種らしい。
「とにかく壁が薄くて大変なんだ。隣の部屋のいびきが大音量で聞こえるんだ。これが死活問題でさ」
「死活問題?」
「配置換えで住人が変わったこの半年、ずっと寝不足で。他に移ろうにも今は空き部屋もないし」
鳴海は本当に苦労しているのか、大きなため息をついた。