不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です！〜

「それが結婚とどう繋がるんですか？」
「結婚すれば、大手を振って独身寮から出られるだろう？」

　真綾はなるほどと納得した。鳴海の言いたいことがやっと理解できた。

「つまり、寮から出るために結婚したいって話ですか？」
「嫌なら断ってくれても構わない。でも、警察官の身内になったと言えば、後ろ暗い人間は大概ビビッて寄って来なくなる。もちろん、君が転職する必要もない」

　鳴海はさも名案だと言わんばかりだ。

「どう？　なかなか悪くないだろう？」

　鳴海はその後もいくつか自分と結婚するメリットを話してくれたが、真綾の耳には入ってこなかった。
　もしかしたら鳴海にその気があるかもなんて、変に期待して損をした。
　彼は利害が一致した者同士、形式的な結婚を望んでいるのだ。
　当然断るべきだと理性がささやく一方で、邪な悪魔が顔を出す。

（結婚すれば、鳴海さんと一緒にいられる？）

　ふたりで食卓を囲んだとき、真綾は数年ぶりに温かく幸せな家庭の空気感を思い出した。