不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
(何か話をした方がいいかな)
無言に耐えかね、なんとはなしに口にしたのが、スープカレーの話題だった。
意外なことに話が弾み、太陽はすっかり気分がよくなった。
女性と話していて楽しい気持ちになったのは久々だ。
「たくさんのお店を食べ歩かれてて、本当にすごいですね」
趣味のスープカレー巡りについて熱弁を振るうと、真綾はふふっと楽しそうに笑った。
(本当はよく笑う子なんだな)
初めは大人しい印象だったが、控えめに笑みをこぼす真綾はまるで蕾が花開いたようだった。
満開の桜を思わせるそれは、鮮烈な記憶として太陽の脳裏に焼きついた。
「今日はあじの開きです。大根おろしはお好みでどうぞ」
「了解」
例の一件以来、食堂で顔を合わせるとたまに会話をするようになった。
真綾は律儀にも皿を渡す時には、いつもひと言添えてくれる。
たとえ仕事でも、鳴海にとって真綾との会話は心が浮き立つ癒しの時間だった。
「今日も相変わらずかわいいですね。彼氏いるのかな?」
隣で昼食を食べていた真壁が真綾を見つめながらため息を漏らし、太陽はピクンと耳を反応させた。