不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
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「はあ。すっごく緊張しました」
「お疲れ様。ほら、なんでも好きなものを食べていいよ。奢るからさ。パンケーキが人気みたいだよ」
案内されたふたりがけのテーブル席に座るなり、鳴海は手ずからメニューを開いて真綾に見せてくれた。
今日は予定を合わせ鳴海の両親に結婚の挨拶にやって来た。
その帰りに鳴海の実家のほど近くにあるカフェに連れてきてもらったのだ。
「わあっ! 全部美味しそう」
「シェアすればいいから、何個か頼みな」
どれにするか決めかねて食い入るようにメニューを眺めていると、鳴海がクスリと笑いながら提案してくれる。
鳴海の提案を受け、真綾は生クリームとベリーがたっぷりのせられたパンケーキと、アップルパイを注文したのだった。
「太陽さんのご両親がいい人でよかったです」
「ふたりとも真綾ちゃんに気に入られたくて、猫かぶってたんだよ」
注文の品が届くのを待つ間、自然と話題は済ませたばかりの結婚の挨拶について。
鳴海の実家は電車で訓練所の最寄駅から三十分ほどの距離にある住宅街にあった。
鳴海の父は威厳があるがどこか親しみやすく、鳴海の母は生け花が趣味の朗らかな人だった。