不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

 ◇

「真綾ちゃん! 手が空いたら梅だれを裏の冷蔵庫から持ってきて~!」
「はい!」

 織恵から声をかけられた真綾はソースの入った調味料ボックスを取りに、大型冷蔵庫まで小走りでかけていく。
 立てこもり事件が一件落着してから三時間後の午後六時。
 夕食の時間になり、お腹を空かせた隊員達が続々と食堂にやってくる。
 配膳カウンターの前では、トレー片手に行列が形成され、真綾をはじめとする五人の従業員は厨房の中で調理とメニューの提供に追われる。
 真綾の勤め先である、【ムクドリフードサービス】は警視庁機動隊訓練所にある食堂の運営を委託されている。
 真綾が雇われたのは、今から半年前の十月だ。
 求人サイトで調理師が募集されているのを見つけたとき、自分が求めていたものはまさにこれだと即応募した。
 調理師免許と管理栄養士の資格を持っていることが幸いし、すぐに採用された。

「梅だれ、ここに置いておきますね」
「真綾ちゃん! こっちの盛り付け手伝って!」
「はーい!」

 織恵から頼まれた梅だれを調理台に置くと、今度はカウンターからお声がかかる。
 行列の人数が増えてきて、ひとりでは捌ききれなくなってきたのだ。

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