不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
初夏が瞬く間に過ぎ去り、本格的な夏が到来した。毎日暑い日ばかりが続き、身体が今にもアイスのように溶け出しそう。
「うん。うまい!」
「おかわりありますよ」
真綾は口もとに笑みを浮かべながらみそ汁をすすった。
引っ越し初日はどうなることかと思ったけれど、立場は違えど同じ職場で働くもの同士、ふたりの生活はそれなりにうまくいっている。
鳴海は毎日忙しそうに訓練をこなし、真綾は相変わらず機動隊食堂で働いている。
変わった点があるとすれば、鳴海と食堂で顔を合わせる機会がめっきり減ったことだ。
独身寮から出て、朝食と夕食はマンションでとるようになったのだからあたり前だ。
残る昼食も、訓練のスケジュール次第で都合が変わる。
SATの隊員がどのような訓練を行っているのか詳しく知らないが、一日中訓練所にいる場合もあれば、訓練所の外で過ごすこともあるようだ。
鳴海は訓練の疲れを顔に見せないように努めているが、訓練所の外できつい訓練をこなしてきた日は白米を食べる量が増えるのですぐにわかる。
立てこもり事件以来、SATの出動要請はないみたいだが、彼らが訓練を怠る理由にはならないのだ。
「あの。今日は太陽さんにひとつご報告があるんです」
食事が半分ほど進んだところで箸を置き、意を決して切り出す。
「なに?」
真綾はコホンとひとつ咳払いをした。