不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜
5.さよならのわけ
「真綾、おいで」
就寝の時間がやってくると、ソファに座っている鳴海は真綾に右手を差し出した。
おずおずとその手を取れば、そのまま鳴海の部屋まで連れて行かれる。
嵐の夜以来、真綾は毎日彼のベッドで寝ている。
『嘘はバレたわけだし、もう寝室をわける理由がないだろう?』
そう言って鳴海は照れる真綾の頬にキスをして、あっさり丸め込んだのだ。
ネイビーのシーツがかけられたセミダブルのベッドはふたりで横たわると少し窮屈だ。
でも、その分互いの存在をより強く感じられる。
「寒くない?」
「平気です」
十月の終わりも近づき、日中も寒さに耐えなければならない日が増えてきた。
それでも、ひとつしかない布団にふたりでくるまれば、寒さなんてどこかに吹き飛んでいく。
「やっぱりもう少し大きなベッドを買うか」
「いいですよ。このままでも」
真綾がふふっと笑いながら鳴海の胸に顔を埋めると、すかさず頭をなでられる。
気持ちが通じ合った今では、それまでの時間が噓のように甘く触れ合う。
もちろん、夫婦の夜の生活も大きく変わった。
鳴海の様子を窺うように上目遣いで仰ぎ見れば視線が絡まり、ふたりきりの蕩ける夜が始まる。