不屈の機動隊員と始めるあまから新婚生活〜この愛、刺激的です!〜

「ポテトサラダときんぴら。どっちがおすすめ?」
「どっちも美味しいですけど、おすすめはポテトサラダですね。隠し味にカレー粉が入ってますよ」
「いいね。じゃあポテトサラダにしよう」

 鳴海はそう言うと真綾がすすめたポテトサラダの小鉢をトレーにのせた。
 些細なやりとりだけれど、真綾の心をとろけさせるには充分だ。

(もっと話したいな)

 胸を焦がす衝動をグッと堪えるうちに、鳴海はカウンターを離れ同僚とともにテーブルについた。
 後続の隊員のすまし汁をよそいつつ、チラリと彼の様子をうかがう。
 ポテトサラダを口に運んだ鳴海は何度も大きくうなずいていた。どうやら、お気に召したご様子。
 真綾が働くこの訓練所には警視庁に所属する機動隊員、三百人以上が日夜訓練を行なっている。
 その中には鳴海のようなSAT隊員も含まれている。
 食堂で調理師として働く真綾が鳴海と知り合ったのは、まったくの偶然だ。
 彼との出会いは三カ月前。木枯らしの吹く寒い冬の日だった。

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