黄昏、ラプソディー
土曜日。

そういえば、

例の荷物、

届けに行こうかな。

木村 誠一様 茨城県阿見市2-4-5

携帯で住所調べて、

歩いて15分くらいの

わりと、近所であった。

ここかな、

わー。こんな大きなお家。

どうやら、送り先は、

お百姓さんのようだ。

ピンポーン

「はいっ。」

「すみません。荷物届けに来ました。

前川と申します。」

「今、伺います〜。」

と少しすると、

「あっ、こちらへどうぞ。」

とお手伝いさんらしき人が

白いエプロン姿で出てきた。

玄関で靴を脱ぎ、

長ーい渡り廊下を歩くと、

一番、奥の部屋に通された。

「大叔父様、例のお客様です。」

すると、

お爺さんがベッドに横たわっまま、

「そうか。この子かぁ・・・。」

「はじめまして、前川 多恵子と申します。

荷物、届けに参りました。」

「そうか。そうか。」

「じゃあ、私はこれで。」

「荷物、開けて見てくれんかね。」

「あっ、私?あっ、はい。」

と包まれたきなりの包み紙を、

一つ一つ、丁寧に荷解きする。

すると、出てきたのは、

「わぁ。綺麗な白いお着物。」

どうやら、白無垢の様だ。

「私からのお気持じゃよ。受け取ってくれんかね。」

「えっ、見ず知らずの私に?!いいえ、受け取れません。」

「そうかそうか。」

といって、一瞬、笑顔になって

すぐ、咳をこじらせてしまった。

直ぐ側にいた。お手伝いさんが、

「大叔父様。大事を取られてください。」

といって、駆け寄ると、

咳しながら、

「また来てくれんかね。」

とだけ言って、

おいとました。











< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop