私史上最大の秘密は、友達の彼氏が好きってことです

 この中学の入学した初日──

 体育館に集められた新入生の集団の中に、見たこともほどの美少女が混じっていた。

 それにただ美人なだけでなく、顔は小っちゃくて、すらりとした長身という抜群のスタイルでもあった。

 おまけに髪はさらさらで、天使の輪が光っていた。そのせいで、本物の天使が下界に降りてきてくださったんだ、と感動すら覚えた。

 背が低くて癖毛の私とは、違う素材でできているに違いなかった。

 あの瞬間、私はミヅキにひと目惚れしたんだと思う。


 そんなミヅキとは、1年のときはクラスが違ったけれど、吹奏楽部で一緒になったことから一気に親しくなった。

 もじもじしていた私に、ミヅキのほうから気さくに声をかけてくれたのだった。

「どの楽器希望?」

「わ、私? 私はクラリネット!」

「一緒だ」

「ほ、ほ、ほんとに!?」

「そんな驚く?」

 だって、美少女にはフルートとかが似合いそう(※私個人の見解)!

「木管の音が好きなの」

「わ、私も! 同じだね」

 そう言った私に、ミヅキは微笑んで頷いてくれた。

 天にも昇れそうな心地がした。このときばかりは、金管であるトランペットの高らかなファンファーレが聞こえていた。

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