甘い秘め恋は生徒会室で
私もね、野いちご学園高等部に入学するまでは信じていなかったよ。
自分の周りに、人を食べたいなんて人は皆無。
出会ったこともすれ違ったこともない。
ニュースでもネットでも、フォークです、ケーキですと名乗る人すら見たことがなかっし。
でも信じざるおえなかった。
あれは高校の入学式の日。
体育館で転びそうになった私を、隣にいた顔も知らない男の子が抱きとめてくれたの。
お互いバランスを崩していたせいだろう。
彼の唇が私の額に沈み込んで。
ひゃっ!
色っぽく波打つ黒髪を揺らすワイルドイケメン君に、抱きしめられてる///
眼福満喫中とばかりにボーっと見つめてしまった私に、彼は驚いたように目を見開きながら言ったの。
「やっと見つけた、俺だけのご馳走」って。