甘い秘め恋は生徒会室で


 昼休み。

 妃奈が生徒会室のドアをくぐったと同時に腕をひっぱって、二人だけの部屋に閉じ込めて、キス攻めをした俺。



 妃奈の後ろは壁。

 フォークの俺に追い詰められ、身の危険を察知したんだろう。

 リンゴと勝負ができそうなほど、妃奈は顔を赤く染め。

 ライオンに襲われそうになっているウサギなのか?

 雫がこぼれそうな状態で、ビクビクと瞳を潤ませている。



 「わっ……わわわっ私、選挙資料を仕上げなきゃ!」



 妃奈は肩を震わせながら、俺と壁の間から逃げ出そうとしたけれど。

 悪いな。

 逃がしてあげる気はない。

 ご馳走を前にして「待て」ができるほど、お行儀のいい肉食獣じゃないんだ、俺は。



 妃奈の全身を囲むように、俺は両手を妃奈の後ろの壁にバン!

 背が高い俺が甘さを堪能できるよう、妃奈のあごをクイッ。

 もう一度、薄くて形のいい唇に自分の唇をこすり合わせる。


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