甘い秘め恋は生徒会室で
ケーキ姫の秘め事
 *



妃奈(ひな)、今日のお昼休みも生徒会?」


 休み時間。

 自分の席で次の授業の準備中。

 私と対面するように椅子に座りなおしたのは、前の席の紗月(さつき)ちゃん。


 私は地図帳を引っ張り出して机の上に。

「生徒会選挙が近いからね」とこぼし、教科書とノートを地図帳の上に重ねる。



「例年だったらもっと前に、生徒会は後輩に引き継ぐんだけど」


「妃奈は人気者だよね。東条(とうじょう)&妃奈ロスになるって生徒たちに泣きつかれたから、今も生徒会の仕事をしてくれてるんでしょ?」


 今、私ロスって言った?


「ちっ違うよ、人気者は東条くんだけ。私はただのおまけ」



 生徒会長であり暴走族のトップに君臨する東条くん。

 女子を拒絶するダークオーラが、学園の女子にはたまらないみたい。

 生徒会長を続けにるのにあたって東条くんが出した条件が、私、西野妃奈(ひな)も副会長に据え置くことで。
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