甘い秘め恋は生徒会室で


 断わる行為が苦手というのもあるけど……


 片思いの相手のそばに、少しでもいられたらな。


 そんな甘い願望を密かに抱いている私は


「引き続き、副会長をやらせていただきます」


 生徒集会の壇上で、にっこりスマイルを浮かべてしまったんです。



 椅子の背もたれを抱きしめるように座り、置いた腕に顔を乗せている紗月ちゃん

 
「私の親友は性格が穏やかで、人当たりが良くていつもニコニコで、そのうえすぐに人を助けに行っちゃう。そりゃ妃奈を慕う女子生徒がこの学園にたくさんいるわけだ」


 私を見てニマニマ微笑みすぎているのが、ちょっとだけ怖い。



「ほめすぎだよ……言葉選びダイレクトすぎだし……」


「アハハ、妃奈が照れてる。可愛い」


「からかわないで」


「妃奈って他人の良いところを見つけるのは得意なのに、自分がほめられると顔が赤くなっちゃうんだよね」



 紗月ちゃんって私のことをよく観察しているな。

 ほんとその通り。

 私はほめられるのが大の苦手。

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