ときめき♥沼落ち確定★婚約破棄!
「だから、俺に君との婚約を解消し、聖女ミユとの結婚をするようにと要求して来た。だが、俺とミユ自身にはその気はない。死を前にした人の要求は流石に強く断れないし、あの人も病床にあろうが権力者だ。自分の要求に従わないと、レティシアに対して嫌がらせも酷かった」

「えっ……」

 死に近い祖母の要求って、たまに聞いたことあるけど、孫の結婚を見て天国に行く前に安心したいとか……そういう可愛い要求でもなく、自分のお気に入りと結婚しろ案件もあるんだ。

 もしかして、私って聖女ヒロインを虐めてなんていないし、悪役令嬢でもなかったってこと?

 逆に皇太后から、嫌がらせを受けていたから……それなら、偽装した婚約破棄をすることになって?

「だから、俺たち三人は相談して、一旦はミユと婚約したことで、それで皇太后に納得して貰うことにしたんだ。結婚さえしなければ、後で何とでもなる。それには、皇太后が疑わぬよう婚約破棄の場を出来るだけ多くの貴族に目撃される必要があった」

「……あっ……それで」

 はっ……恥ずかしい。全部が全部、私の勘違いだったんだ……何なの。

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