ときめき♥沼落ち確定★婚約破棄!
「……急な勅命で陛下に呼ばれたもので、王太子たるリアム殿下にも、こうしてご挨拶に。僕は臣下として十分に、礼は尽くしているはずです。殿下のこのような場に居合わせてしまうとは、驚きでした」

 挑戦的なヴィクトルさんの言いように対し、リアム殿下は不快そうに眉を顰めた。

「……ヴィクトル。レティシアを降ろせ。彼女は罪を犯した。僕たち二人はこの後、話し合いをしなければならない……足を痛めて歩けないのならば、僕が代わろう」

 あ……話し合い? 悪事についての取り調べとか、婚約破棄後の処遇を話し合うとか?

 正直、困る……だって、何話したら良いの。私は前世含め婚約破棄されたのはこれで初めてだから、何分手続きがわからないけれど、そういうものなのかもしれない。

「……レティシア・ルブラン公爵令嬢に罪があるとするならば、先ほど十分に罰は受けたはずです。王太子から公衆の面前での婚約破棄? 未婚の貴族令嬢ならば、それは死刑宣告に近いではないですか……なんと、非道な……」

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