手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
01 守護女神
彼を庇ったと言っても今思い出せばただ単に、何個かの要因から偶然に起きた出来事だった。
私は単なる町娘だし、ヒース・グレンジャーは新人なのに優秀なのだと巷でも噂の騎士だ。運命のその時、彼は馬から降りて手綱を宿屋の店員へと渡そうとしていた。
私は何度かしか目にしたことのないヒースの整った容姿をじっと見て、ただただ偶然の奇跡に感動していた。そして、彼の背後に居た男性の手元に刃を目にした私は、咄嗟に身体が動いてしまった。
ヒースの背中に私はぶつかり、振り向いた彼は驚いた顔をしていた。
長い睫毛に縁取られた透き通る青い目と視線が合った瞬間、私は多分、笑っていたと思う。
どうしてかというと、その瞬間、自分がこのまま死んでしまうだろうということを察していたし……これが最期だと言うのなら、苦痛の表情ではなくてより良い表情だった方が良いのかと判断したのかもしれない。
誰かの大きな叫び声が聞こえて、私の視界は黒く染まった。
私は単なる町娘だし、ヒース・グレンジャーは新人なのに優秀なのだと巷でも噂の騎士だ。運命のその時、彼は馬から降りて手綱を宿屋の店員へと渡そうとしていた。
私は何度かしか目にしたことのないヒースの整った容姿をじっと見て、ただただ偶然の奇跡に感動していた。そして、彼の背後に居た男性の手元に刃を目にした私は、咄嗟に身体が動いてしまった。
ヒースの背中に私はぶつかり、振り向いた彼は驚いた顔をしていた。
長い睫毛に縁取られた透き通る青い目と視線が合った瞬間、私は多分、笑っていたと思う。
どうしてかというと、その瞬間、自分がこのまま死んでしまうだろうということを察していたし……これが最期だと言うのなら、苦痛の表情ではなくてより良い表情だった方が良いのかと判断したのかもしれない。
誰かの大きな叫び声が聞こえて、私の視界は黒く染まった。
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