手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
 彼は騎士になるまでに数多くの苦労をしたと聞いていたけれど、それを見るだけでも納得してしまうほどだった。

 私としては濡れた黒髪も、やたらと色っぽくてとても良かった。

 もうこうして一回見てしまったから、何回見ても一緒じゃないかしら……?

 私は神を信じる清い信徒を守護する女神だというのに、一度軽い犯罪に手を染めてしまうと、段階的にどんどん悪いことをしてしまうというメカニズムがようやくここで理解出来るような気がした。

 いいえ。待って。私はヒースの守護女神なのよ! 彼の身体に異常があるのなら、それにいちはやく気がつくべきではないかしら?

 だとすると、彼の身体を隅々まで逐一確認した方が良くない……?

 ……いけない。これって、完全に犯罪者の思考だわ。

 駄目だとわかっているのに、何か尤もらしい理由を捏造すれば許されるのではないかと考えてしまうというあれよ。

 けど、そもそもの話を言えば、別にヒースの裸を見るなと誰にも禁じられていないのだから……もしかして、別に良いの?

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