手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
 私がそんなこんなで頭をぐるぐると悩ませていたら、ヒースは既に入浴を済ませ着替えまで終えてしまったようで、私は移動する彼の動きに合わせて身体が移動してしまった。

 聖騎士ヒースは今回、単独での任務で司教の文書をとある貴族に届けることを命じられたらしい。

 なので、いつものように食堂で同僚と食事をする必要もなく自分の取った客室で夕食を取っていた。

 静かに黙々と食べて、明日移動する旅路を地図で確認していた。

 そして、私はヒースが、いつもより早く眠気を感じたことに気がついた。何故かと言うと、私も彼と同じように眠くなったからだ。

 その時は、いつもより早いわねと感じた程度だ。真っ暗な視界に呑まれ、いつしか私は眠っていた。

 雷のような衝撃が私の身体を走り、目を開いてヒースを確認すると彼はベッドの上で悶えるようにして苦しんでいた。

 え! これって、眠っていた時にも危機を教えてくれるという啓示?

 初めてだけど、きっとそうだわ。自分に仕える女神に対し酷い起こし方だと思わないこともないけど、ヒースの緊急事態を教えてくれてありがとうございます!

< 13 / 26 >

この作品をシェア

pagetop