手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
 つい先程まで生命の危機すら感じそうなくらいの体調の悪さだったのにすっかり回復したヒースは、すぐそこに居た私を見てとても驚いているようだった。

 それもそうだと思う。

 私は美しい姿を持つ女神になったと言えど、生前の姿の面影をかなり残しているはずだし、彼にはわかったと思う。自分を助けて亡くなった女性が、寝込みを襲っているのだ。

 悲鳴をあげて逃げだしても良いところだと思う。けど……守護女神の私は、彼の後を付いて行くしかないんだけど。

 待って。駄目だわ。より怖がらせてしまう悲劇。


< 16 / 26 >

この作品をシェア

pagetop