手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
「そうね……けど、なんだか恥ずかしくて……」

 確かに守護女神はその気になれば守護対象者に話しかけることも出来るし、こうして身体を触れ合うことだって出来る。

 けど、こんな危急な事態でもなければ私は恥ずかしくて、それをしようとは思えなかったのだ。

「恥ずかしい……? どうしてだ?」

「だって、ヒースは話したこともないのに、私のことをとっても良い人だと思っているでしょう! 私は偶然善行を積んで女神になっただけで、全く普通の人なの! ヒースには幼い頃からの婚約者が居ると聞けば、早く駄目になってしまえば良いと思ってしまうくらいに嫌な人間なの!」

 ヒースはぱっと身体を離して、これまで言えなかったけど言いたいことを言った私の顔をまじまじと見た。

「……嫌な人間? どこが?」

 心底不思議そうに聞いて来るので、私は慌てて言葉を重ねた。

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