手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
「えっ……だって、そうよ。慈善院に手伝いに行ったり定期的に寄付したりは、私……隣に住んでいるおばちゃんに押され負けただけなんです。別に……特に崇高な理想とかもなくて……自己犠牲、何それ美味しいの? だし、ヒースを庇った時も、私は貴方を久しぶりに見れて浮かれていて、咄嗟に身体が動いただけなんです! だから、全然ヒースの思って居るような良い子でもなんでもないです!」

 ここまで言い切って荒い息をついた私に、ヒースは微笑んで逆に落ち着かせるように背中を撫でてくれた。

「ミスティは、僕の想像していた通りの……良い子でしかない。それに、忘れているみたいだけど僕と君は話したことがない訳でもないんだけど」

 私はなんとなく、自然な流れで……といった様子で彼にベッドへとゆっくり押し倒されて、あれこれって……と、自分が今居る状況に気がつきつつあった。

 これって……そうよ。

 恋愛小説だったら、もうすぐ場面は区切られて切り替わって朝のシーンになっちゃう……あれの。

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