手が届かない憧れの騎士様を庇って命を落としたら、それまで積み上げた善行が認められ彼の守護女神に抜擢されてしまうという羞恥プレイ。
 そして、私がどうなったかという結論から先に手早く説明すると、死の理由が人を庇って亡くなった私はそれまでに魂が貯めていた善行が閾値を越え、苦界の中で人としての転生するのではなく、神の啓示により人々を助け導く女神になることが許された。

 女神というのは美しい容姿を持ち、永遠の若さを手に入れることが出来る。そして、ただの人だった頃の記憶も引き継がれる。

 人と恋に落ちることも、許されているらしい。ただ、その時は女神からただの人になり、女神になれるほどの善行を失いまったくのゼロからまた積み直すことになってしまうけど。

 そして、ここからがまさかの展開なんだけど私が庇ったヒース・グレンジャーが神殿での洗礼を迎え聖騎士になる前に、彼の守護女神になるように啓示を受けた。

 女神になってから一年。経験あるベテラン女神は信仰の厚い司教や司祭に、私のようななりたてのひよっこ女神は自分で身を守ることも出来る聖騎士を任されることになるとは聞いていた。

 神は信ずる者を救うだろうというあの教えは、本当だったのだ。

< 2 / 26 >

この作品をシェア

pagetop