コワモテ御曹司のごほうびは私!?どうやらスパダリを手に入れてしまったようです
隣で書類に目を通している西郷から仕事の指示はない。
マンションの場所も最寄り駅も伝えていないのに、夏目が運転する車は美沙のマンションの正面で止まった。
「明日の朝8時半に迎えに来ます」
「え? 迎え?」
車のドアを開けながら微笑む夏目と、書類を見続けている西郷を交互に見た美沙は戸惑いながら車を降りた。
「西郷CEO、助けてくださってありがとうございます」
違うかもしれないけれど、と思いながら美沙が挨拶をすると、ぶっきらぼうに「あぁ」と返事が返ってきた。
「夏目さん、送ってくださってありがとうございます」
「念のためカーテンを閉め、電気が漏れないようにした方がよろしいかと」
「まさか、さすがに……」
翔太がマンションまで押し掛けてくるということ……だよね?
さすがにそれはないでしょう。
どうせ彼女に今日は用事があると断られて、夕食を一緒に食べる相手がいなかった程度だろうと軽く考えながら美沙は部屋に入ったが、一応言われた通りカーテンは開けずリビングも電気は付けずに、手元のライトとキッチンの電気、あとはテレビの明かりだけにした。
正直に言えば、夏目さんは過保護だなと思っていた。
明日の朝まで迎えに来てくれるなんて、西郷CEOも心配症だな、と。
こんな恐ろしいメッセージが届くまでは――。
『まだ仕事?』
『何時に終わる?』
『マンションの入口にいるよ』
急に怖くなった美沙はキッチンの電気もテレビも切った。
『もしかして、もう部屋にいる?』
『ねぇ、泊めてよ』
頻繁に届くメッセージがイヤで、スマホの電源もOFFに。
美沙は手元の明かりも消し、布団に包まりながら眠れぬ夜を過ごした。
マンションの場所も最寄り駅も伝えていないのに、夏目が運転する車は美沙のマンションの正面で止まった。
「明日の朝8時半に迎えに来ます」
「え? 迎え?」
車のドアを開けながら微笑む夏目と、書類を見続けている西郷を交互に見た美沙は戸惑いながら車を降りた。
「西郷CEO、助けてくださってありがとうございます」
違うかもしれないけれど、と思いながら美沙が挨拶をすると、ぶっきらぼうに「あぁ」と返事が返ってきた。
「夏目さん、送ってくださってありがとうございます」
「念のためカーテンを閉め、電気が漏れないようにした方がよろしいかと」
「まさか、さすがに……」
翔太がマンションまで押し掛けてくるということ……だよね?
さすがにそれはないでしょう。
どうせ彼女に今日は用事があると断られて、夕食を一緒に食べる相手がいなかった程度だろうと軽く考えながら美沙は部屋に入ったが、一応言われた通りカーテンは開けずリビングも電気は付けずに、手元のライトとキッチンの電気、あとはテレビの明かりだけにした。
正直に言えば、夏目さんは過保護だなと思っていた。
明日の朝まで迎えに来てくれるなんて、西郷CEOも心配症だな、と。
こんな恐ろしいメッセージが届くまでは――。
『まだ仕事?』
『何時に終わる?』
『マンションの入口にいるよ』
急に怖くなった美沙はキッチンの電気もテレビも切った。
『もしかして、もう部屋にいる?』
『ねぇ、泊めてよ』
頻繁に届くメッセージがイヤで、スマホの電源もOFFに。
美沙は手元の明かりも消し、布団に包まりながら眠れぬ夜を過ごした。