コワモテ御曹司のごほうびは私!?どうやらスパダリを手に入れてしまったようです

4.驚きの連続

 翌朝、8時25分に鳴らされたチャイムの音に、美沙は心臓が口から飛び出しそうなくらい驚いた。
 玄関を出ようとちょうど靴を履いたところだ。
 扉の覗き穴から見えた秘書の夏目の姿にホッとする。

「おはようございます。夏目さん。すみません、お待たせしてしまいましたか?」
 すぐ出ますと鍵を取り出した美沙は、夏目に手で止められた。

「今すぐ荷物をまとめてください」
「……え? それはどういう……」
「昨晩、ずっといたようです」
 誰がなんて聞かなくてもわかる。
 翔太が、だ。

「営業部の部長に頼んで彼を呼び出してもらったので、今はいません」
 今はということは、ずっといたってこと?
 もしかして一晩中?

 もし、私が仕事で本当に遅かったら、マンションの入口で捕まり、おそらく強引に部屋まで上がり込んできたはずだ。
 どうしてそこまで……?
 そんなに西郷CEOと知り合いになりたいの?

「できるだけ急いでください。最低限でいいので」
「すぐに準備します」
 悩むのはあと!
 美沙は必要な物をスーツケースに詰めた。
 貴重品、服、下着、靴、化粧品、スマホの充電器も忘れずに。
 読みかけだった本はやめた。
 でもお気に入りのぬいぐるみはつい入れてしまった。
 
「お待たせしました」
 夏目に荷物を車のトランクへ入れてもらい、今日は助手席へ。

「今からCEOのマンションへ向かいます」
「えっ?」
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