コワモテ御曹司のごほうびは私!?どうやらスパダリを手に入れてしまったようです

6.夢のような時間

 テレビで見た通りの美しい夜景とテーブルに飾られた花。
 そして目の前にはイケメン御曹司。

 ……夢かな?

「食べられないものは?」
「特にないですが、辛い物は少し苦手です」
 あ、普通の辛さは食べられますと美沙は手を軽く左右にフリフリした。

「ワインは?」
「お酒は弱いので、あまり……」
「そうか」
 彰が目を合わせるだけで、黒服さんはお辞儀をして去って行く。

 メニューとか何もないんですか?
 ご注文は? とか聞かないんですか?

 グラスが準備され、注がれるのはシャンパン?

「カルテット・アンダーソン・ヴァレー ブリュットでございます」
 言われてもわかりません!

「スパークリングワインだが、酔いやすいから無理しなくていい」
「は、はい。いただきます」
 シャンパンとスパークリングワインって違うの?
 
 一口飲んだ美沙はほんのり酸っぱい味に驚いた。
 でもおいしい。
 でも高そう。
 いや、高そうじゃなくて高いに決まっている。

 料理はオードブル、スープから始まるコース料理。
 マナーなんてわからないんですけど!

「気にせず食べればいい」
「はい」
 正直、美味しすぎて美味しさがわかりません~!
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