コワモテ御曹司のごほうびは私!?どうやらスパダリを手に入れてしまったようです

7.お嬢様

 黒服さんがエレベーターを呼んでくれているし、不思議すぎる!

「……いらっしゃいませ、綾小路様」
 黒服店員はエレベータの中に乗っていた二人に頭を下げた。
 エレベータの中にいたのは胸元が大きく開いたセクシードレスの女性とスーツにスカーフの年配の男性。

 やっぱりこういう人が来る店なんだよね。
 美人さんだなぁ。

「彰!」
 美沙は視界に入らなかたのか、飛びつこうとする女性を彰は右手で止めた。

「ご無沙汰しております、綾小路会長」
「あぁ、彰くん。ここで会うとは奇遇だな」
 チラッと彰と腕を組んだ美沙の値踏みをしたあと、綾小路会長は再び彰と目を合わせる。

 釣り合わないのは承知の上だけれど、そんな露骨に「誰だこいつ」みたいな目で見なくてもいいのに。
 美沙がスッと腕から手を抜こうとすると、彰に捕まれ抜くことができなかった。

「……誰? 私という婚約者がいるのに」
 キッと睨んでくる女性に美沙は戸惑う。

「それはお断りしたはずです」
 もしかして政略結婚の相手ってこの美人さん?
 嘘でしょ、私なんかより絶対こっちでしょ。

「いいのかね? おたくの業績はあまり良くないはずだが。うちの娘と結婚すれば援助は惜しまないといったはずだが?」
 再び舐めるような目で美沙を見る綾小路会長に彰は眉間にシワを寄せた。
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