屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
憎い男
阿久津さんとの話し合いは、1時間ほどで終わった。

というか、わたしが終わらせた。


内容は、鳥飼さんの話と同じだったから。


まさか、大元のアーバンオアシスがくるとは思わなかった。

阿久津さんの落ち着いた雰囲気からしても、ラスボス感が漂っていて…。


JOGの鳥飼さんじゃダメだから、わざわざ自ら説得しにやってきたのだろうか。

だったとしても、答えは決まっている。


「お母さんも、なんであんな人をウチに上げようと思ったの」

「前に言ったでしょ…?一度話を聞いてみたらって」


…お母さん、どうしてそんなこと。

もしかして、お母さんは阿久津さんの話を受け入れようとしているの…?


赤髪の人からわたしを助けてくれた…阿久津さん。

仏頂面の裏側にやさしさがある人なんだろうなと思った。
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