屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
だから、夢だったデザイン制作会社に新卒で入社することができたけど、悔いなく辞めた。

2年も働かせてもらえたら十分だから。


それからさらに2年の月日がたち、今に至る。


わたしも27歳になり、俗に言う“年頃の女”。

周りは、結婚したり子どもが生まれたりと、最近はそういう報告をよく耳にするようになった。


でも、わたしはとくになにもない。

結婚に興味がないわけではないけど、彼氏もいないし、だからといって無理に作ろうとも思っていない。


今は、昔のような活気ある商店街を取り戻すべく、ウチが先陣を切って新規のお客さんを集められるようにと、新しい商品のアイディアを練るので精一杯。


本当は、今のお弁当を活かしたランチプレートを提供するカフェにできたらいいなと思っている。

学生時代もカフェでバイトしていて、この2年で自分のお店を持つ夢もできたから。
< 3 / 88 >

この作品をシェア

pagetop