屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
阿久津さんとの同居。

初めは何度も『無理!無理!』と言って断ったけど、意外と大丈夫だった。


というのも、阿久津さんはほとんど家にいない。


朝早く仕事に出て、帰ってくるのは早くて夜の10時。

遅いときは、日付をまたぐこともざらにある。


食事も3食すべて外で済ませてくるらしく、家には寝に帰ってくるだけという生活をしているようだ。

だから、わたしが阿久津さんの家でする家事という家事は掃除くらいで、あとは自分のために料理を作り、自分のために洗濯しているくらい。


住んでいるところがタワマンの最上階というだけで、自宅にいたときとほとんど変わらない生活をしていた。


でもやはり、お店が燃えてしまったという喪失感は強く…。

落ち着いたら、お母さんと今後のことについて話し合わなければならない。
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