屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
「全然大丈夫じゃないよ!!どうしてくれんだよ!これ、昨日買ったばかりなのにっ!!」

「申し訳ございません…!」

「5万もしたのに、ほんっとに最悪!こんな店、こなきゃよかった!!」

「…いや、待てよ。あんた――」


と言いかけた貴斗の腕を握る。


「…本当に申し訳ございませんでした」

「そんなに悪いと思ってるならさ〜…」


ニヤリと口角を上げる赤髪の人がわたしに視線を移す。


「おねーさん、オレっちとデートしてよ♪」


突拍子もない発言に、わたしは言葉が出なかった。


「よく見たらカワイイしさ〜!けっこうタイプかもっ」


グイッと顔を近づけてくる赤髪の人。


「い、いえ…、それは――」

「なに?こんなにオレっちに迷惑かけてるくせに、詫びの1つもできないわけ!?とんでもねぇ店だな〜。全部、動画で流しちゃおっ」
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