女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
この学園祭は、私の知ってる学園祭と同じだと思ってはいけない。
▽
*˸
゜
「せーな。今日の放課後一緒に遊びに行こう!」
転校してきた累くんに付きまと……一緒に行動する日々が始まって二週間ほど。
相変わらず距離感がおかしいこの男は、今日も今日とて後ろから手を回して抱き着いてくる。
まったく。私はその手を雑に振り払いながら言った。
「テスト前にそんな余裕はありません」
「えー。近くのショッピングモールに買い物しにいくとかでいいんだよ? オレは瀬那と一緒ならどこでも楽しいし」
「ショッピングモール? 意外に庶民的だね累くん」
「そうかな。まあ留学先のホストファミリーは一般家庭だったし、金銭関係は割とまともかもね」
無意識に、以前加賀見先輩とした“放課後デート”を思い出した。
先輩は累くんんと逆で、庶民的な遊び場には疎そうだったな。
そういえば、連れて行くと約束したファミレスはまだ行けてない。
……って、いかん。話が逸れてしまった。
「とにかく、今日は家でテスト前最後の追い込みだから遊びには行きません!」
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「せーな。今日の放課後一緒に遊びに行こう!」
転校してきた累くんに付きまと……一緒に行動する日々が始まって二週間ほど。
相変わらず距離感がおかしいこの男は、今日も今日とて後ろから手を回して抱き着いてくる。
まったく。私はその手を雑に振り払いながら言った。
「テスト前にそんな余裕はありません」
「えー。近くのショッピングモールに買い物しにいくとかでいいんだよ? オレは瀬那と一緒ならどこでも楽しいし」
「ショッピングモール? 意外に庶民的だね累くん」
「そうかな。まあ留学先のホストファミリーは一般家庭だったし、金銭関係は割とまともかもね」
無意識に、以前加賀見先輩とした“放課後デート”を思い出した。
先輩は累くんんと逆で、庶民的な遊び場には疎そうだったな。
そういえば、連れて行くと約束したファミレスはまだ行けてない。
……って、いかん。話が逸れてしまった。
「とにかく、今日は家でテスト前最後の追い込みだから遊びには行きません!」