女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
全くもって風変りな要素はない。
むしろ、The学園祭な超定番イベントのような気がするのだけど。
だけどこれまでの星彩学園祭の歴史を鑑みると、それらは超革新的なイベントらしい……とパンフレットを見ると書いてあった。
何でも今年、文化祭の実行委員になった庶民特待生がおり、中学の文化祭でそういう企画があったという話を会議で出したそうで。
それに富裕層の皆様が大変興味を持ち、舞台企画に組み込まれる運びになったのだとか。
「今から始まるのはカップルコンテストなんだけど、実はそれに知り合いが出場するんだ」
「へえ」
全然興味はないけれど、反対する理由もない。午前中は私が行きたいところばかり一緒にきてもらったし。
それに、これまであまりに学園祭のイメージとかけ離れた催し物ばかり見て来たから、ここらで青春を感じるイベントに触れるのもいいかも。
そう思った私は、笑顔でうなずいた。
「いいよ。いこっか」