女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。



まだいくつか食べたい料理があったので後ろ髪を引かれる思いがしたけど、明日も明後日もあるからと自分に言い聞かせて立ち上がる。



カップルコンテストが開催されるという第3ステージは、体育館付近にあった。

大物女優が司会をしていたメインステージに比べると小さいけれど、それなりに人が集まっている。




「さあ皆様お待たせいたしました。星彩学園祭初の試み、ベスト・カップルコンテスト! とある実行委員の発案により取り入れられた、ミスコン、ミスターコン、そしてこのカップルコンテスト。来年以降も恒例行事になるか否かは、ここにいる皆様の盛り上がりに委ねられておりますのでよろしくお願いします!」




ちょうど私たちが一番後ろの妙に座り心地の良いサイドテール付きのパイプ椅子に腰を下ろしたところで、ステージ上に司会者が現れた。

こちらの司会者は高等部の制服を着ており、さすがに芸能人ではなかった。実行委員の人だろうか。




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